こんにちは、アメリカのグンマーゆきです!
さて、段々と暖かくなり春の兆しを感じるようになると思いました…「やっぱり桜を見たい!」。どこにいてもやはり桜が恋しくなります。
この記事では、アメリカで桜と言えばここ!ワシントンDCのお花見スポットを紹介します。
この記事でわかること
- 【基本】ワシントンの桜の歴史
- 【いつ】満開時期を知る方法
- 【どこ】ワシントンのおすすめお花見スポット
ワシントンDCは日本のソメイヨシノが見られる、アメリカで有名な桜スポットです。先日ワシントンまで桜を見に行ってきたので、その観光レポートをご紹介します。
ワシントンDCの桜の歴史
ワシントンDCの桜は、日本から友好の証として贈られたものです。1912年3月27日に初めて植樹が行われ、それ以降3,000本を超える桜がワシントンDCに植えられました。アメリカからは桜のお礼として、1915年にハナミズキが日本に贈られています。
それから30年もしないうちに日米は交戦国となります。1941年12月8日の真珠湾攻撃の数日後、4本の桜が切り倒されました。日本への報復と見られているようですが確証はなく、それ以後、桜が更なる被害を受けないよう、大戦中は「東洋の桜」と扱われていたそうです。第二次世界大戦終戦後、桜祭りや日米交流が再開され今日のにぎわいに繋がっています。
いつ:桜の満開時期を狙う方法
ワシントンDCの桜の開花時期は概ね3月後半、満開の時期は3月最終週~4月と言われています。2月終わり頃になると桜の満開時期予想が各社から発表されるのですが、これも一大イベントで盛り上がります。ナショナルパークサービスの満開予想の発表動画がこちら(4分過ぎから)、まるで宝くじの当選発表のようです(笑)
2023年の大手3社による満開時期予想は下記の通りでした。ばらつきがあります…。どの会社の予想も「3月の気温によって大きく変わる」という注意文言も忘れずにつけられており、ワシントンにふらっと行ける距離に住んでいるわけではない我々はぐぬぬ…となりました。
2023年満開時期予想
- ナショナルパークサービス:3月22~25日
- ワシントンポスト:3月19日~23日
- NBCストームチーム:3月15日~20日
さらに、日本のように開花・満開予想が頻繁に更新されるわけではないので、ライブカメラなどを見て最終的には桜の満開時期を自分で予想しました。ナショナルパークサービスのサイトでは桜の写真が毎日アップされるので、どれくらい桜が咲き始めているか、その週の天気と気温と、これまでのお花見経験をフル活用して訪問時期を決めました。日本人として負けられない戦いです(笑)
今年は3月25・26日の週末が満開で、ナショナルパークサービスの予想が当たりました🌸
“cherry blossom peak bloom”と検索すると、桜の蕾や開花状況がアップされるサイトがいくつか出てきます。参考にしてみてください。
どこ:おすすめお花見スポット
ワシントンDCでは公園や道端に桜が植えられており、日本と同じようにどこでも桜景色が楽しめますが、一番有名なお花見スポットはTidal Basin(タイダルベイスン)です。タイダルベイスン(池)とポトマック川沿いに桜が植えられていて、多くの観光客がこの周辺に集まります。
全米桜祭り
タイダルベイスンの周辺で全米桜祭り(National Cherry Blossom Festival)が開催され、2023年は3月18日~4月16日まで約1か月お祭りが行われます。開催期間中はライブやパレード、花火などのイベントがあり、桜の満開時期がずれてしまっても楽しめるのでチェックしてお出かけしてみてください。
お酒を飲めるブースやフードトラック、お土産屋さんなども出て大賑わいです。日本からもANAなどがスポンサーになっていました。日本の企業名を見てちょっと嬉しくなりました。
お土産屋さんに入るのにも行列ができていました。「桜」Tシャツや、桜の花が書かれたブラウスなどは人気で、着ている人をよく見かけました。桜コーディネートしていくとより楽しめるかもしれません🌸
この人手から予想できるように周辺の道路は大混雑しています。交通整備の人はいますが車も大渋滞で全く進まないので、この周辺まで来るのには地下鉄&徒歩がおすすめです。
おすすめお花見コース
私たちが実際に歩いたコースを紹介します。Tidal Basin(タイダルベイスン)を中心に、周辺の観光スポットを合わせてめぐりました。
タイダルベイスン
タイダルベイスンはポトマック川に隣接する人工入り江です。この池の周りに沿うように桜が植えらていて、ワシントンDCで最も有名なお花見スポットです。周囲は2.1マイル=3.4キロ。結構距離がありますが桜のトンネルが美しくて、気づけば歩けてしまいます。
桜の木の下でシートをひいてピクニックしているアジア人がいたり、池では足漕ぎボートを楽しむ人がいたり、日本のお花見風景と全く同じです。日本の文化を世界中の人に愛でてもらっている気がして、嬉しくなりました🌸
日本から贈られた桜の半数以上がタイダルベイスンに植えられました。当時から品種構成がやや変わったそうですが、7割はソメイヨシノ、その他シダレザクラや、ソメイヨシノの子孫でアメリカ生まれのAkebonoという品種など、多くの桜が咲き誇っています。
ジェファーソン記念館
地下鉄スミソニアン駅の対岸に、第3代大統領トマス・ジェファーソンを記念して1943年に建てられたジェファーソン記念館(Thomas Jefferson Memorial)があります。
アメリカ独立宣言の草案「ジェファーソンの起草」を作った人で、この草案を修正し、7月4日のアメリカ独立宣言が発出されました。アメリカでは大統領の業績評価ランキングがあるのですが、その中でも常に上位10位に入る人気の大統領です。
ドームの中心にトマス・ジェファーソンが建っています。周囲の壁には独立宣言の節や、政治理念が書かれています。たまたま後ろにいたお父さんが子供にこんなことを話しているのが聞こえました。
Thomas Jefferson, he is probablly the best president. He founded America of America.
アメリカの精神を作った大統領として、アメリカ人の中でも評価が高い大統領なのだなぁと思いました。トマス・ジェファーソンの視線の先にはホワイトハウスがあります。
We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal, that they are endowed by their Creator with certain unalienable Rights, that among these are Life, Liberty and the pursuit of Happiness.
私たちは以下の真実を自明のこととする、すなわち、すべての人は生まれながらに平等であり、創造主によって不可侵の権利を与えられている。その権利には、生命、自由および幸福を追求する権利が含まれている。
アメリカ独立宣言
タイダルベイスンのほとり
ジェファーソン記念館から西に行くとオハイオ・ドライブ・ブリッジ(Ohio Drive Bridge)があります。この橋の上からも、池のほとりが桜で色づく良い景色が眺められるので足を止めてみてください。
すっかり忘れていたのですが池のほとりに灯篭があります。日本人にとっては普通の景色過ぎて素通りしてしまったのですが、桜と日本文化を一緒に感じられる人気のフォトスポットだそうです💦
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑
2011年に建てられたマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの記念碑です。
通称キング牧師は人種差別や人種隔離の撤廃を訴えた公民権運動の指導者で、その功績を称え、9メートルの高さがあるキング牧師像が建てられました。
キング牧師の有名な演説「I have a dream」はワシントンのリンカーン記念堂の階段で行われました。当時はリンカーン記念堂からワシントン記念塔まで人で埋め尽くされ、25万人の人がデモ行進を行ったそうです。
…I have a dream that one day on the red hills of Georgia, the sons of former slaves and the sons of former slave owners will be able to sit down together at the table of brotherhood.…I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character. I have a dream today.
いつの日かジョージアの赤い丘で、元奴隷と元奴隷所有者の息子たちが兄弟という名の机に一緒に座ることができるようになることを夢見ています。
いつの日か私の4人の小さな子供たちが、肌の色ではなく人格で判断されるような国に住むことを夢見ています。私は今日も、夢を抱いています。
”I have a dream”speech ,1963
リンカーン記念堂
1922年に建てられたリンカーン記念堂(Lincoln Memorial)です。
第16第大統領エイブラハム・リンカーンは、奴隷制度をめぐりアメリカ北部・南部が争ったアメリカ南北戦争を終結させ、奴隷解放宣言を行ったことで有名な大統領です。ワシントンにあるフォード・シアターで舞台観劇中に狙撃され、暗殺されました。
階段を昇るとドーリア式の太い柱の間から、リンカーンが座っているのが見えてきました。映画ナイト・ミュージアム2でリンカーンの石像が動き出し、主人公ラリーをつまみ上げるシーンが思い出されます(笑)。大人気の大統領なので、ここも非常に混雑していました。
周囲の壁には、南北戦争中に行った有名なゲティスバーク演説が描かれています。アメリカの自由と平等の精神を説いた演説とともに、リンカーンは静かにワシントン記念塔、そしてその先のアメリカ合衆国議会議事堂を見つめていました。
Four score and seven years ago our fathers brought forth on this continent, a new nation, conceived in Liberty, and dedicated to the proposition that all men are created equal.・・・that this nation, under God, shall have a new birth of freedom – and that government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth.
87年前、私たちの父たちは新たな国家をこの大陸に誕生させた。それは自由に抱かれ、すべての人は生まれながらに平等であるという信条に捧げられた国家である。…神の下で、この国に新たな自由の誕生をもたらすために、人民の人民による人民のための政治を地上から消し去らないために、残された大きな課題に身を捧げるべきなのです。
ゲティスバーク演説、1863
リフレクティングプール
この周辺には桜はないですがワシントンらしい景色で人気のスポットです。キング牧師が演説を行ったこの場所は、リンカーン記念堂からワシントン記念塔、アメリカ合衆国議会議事堂が一直線に並んでいるのが見えます。このプールの周りにはベンチがたくさんあるので、ちょっと疲れた時は腰かけて休むのにもおすすめです。
プールの周辺には戦争の慰霊碑が多くあります。朝鮮戦争慰霊碑、ベトナム戦争慰霊碑、そしてワシントン記念塔のふもとには第二次世界大戦記念碑の噴水があります。第二次世界大戦記念碑には激戦地となった地名が残され、Iwojima、Okinawaといった地名もあります。Victory in the Air, victroy on land, victroy at seaと刻まれた記念碑、一度見てみてください。
ワシントン記念塔
遠くからでも目立つのがワシントン記念塔(Washington Monument)です。初代大統領ジョージ・ワシントンを記念して建てられたオベリスクです。
高さ169メートル(555フィート)あり、アメリカ国内の石を使って作られ1885年に完成しました。南北戦争や資金不足で工事が中断した影響で、塔の上下で色が異なっているそうです。建国の父を称える塔なのになんともまぁ…と思いましたが、お茶目な塔です(笑)
このワシントン記念塔、登ることができます!1人1ドルと料金は安いのですが、時間ごとに人数枠がありチケット販売枚数が制限されています。チケット入手方法はこちら。
- オンラインでチケット購入
- 訪問日前日の追加販売チケットをオンラインで購入
- 当日、チケット売り場に並ぶ
オンラインでのチケット購入は1か月前から可能です。しかし土日や人気観光シーズンはすぐにチケットがなくなってしまいます。2回目のチャンスは、訪問日前日の10時に追加で販売されるチケットを購入することです。各時間帯10人分追加チケットが販売されます。
今回、この追加チケットを狙って9時55分から待機していたのですが、あえなく敗れました…。日時を指定してチケット購入ボタンを押したのですがページエラーになり、もう一度ページを読み込んだ時には午後3時に1人分だけチケットが残っていただけでした。競争の激しさを思い知りました。
最後の手段は、チケット売り場に並び当日チケットをゲットすること。しかしこちらも、人気シーズンはチケット売り場が開く8時45分よりも前から行列ができ、すぐに売り切れてしまうそうです。
今回私たちはワシントン記念塔に上るのは断念しました。ワシントン訪問日が決まっている方はすぐに予約するのをおすすめします!
今まで3回ワシントンDCに行きましたが1度も昇れていません💧今度こそはと思っています。
散策のおわり
地下鉄スミソニアン駅からタイダルベイスンを周って帰るコース、ゆっくり歩いて●分かかりました。タイダルベイスン周辺には公共トイレがあちこちにあるので安心して歩けます(混んでいますが💦)。
たくさんの人が笑顔で桜を写真に収めている姿を見て、なんだかとても誇らしかったです。途中には新しい苗木も植えられていました。日本人にとって大切な花、これからも大事に育てられていってほしいなと思います。
まとめ
この記事ではワシントンDCの桜スポット&おすすめ観光コースを紹介しました。ポイントはこちら
- 桜の満開時期予想は自分のカンと経験も活かす!
- お花見はタイダルベイスンを中心に徒歩がおすすめ
- 全米桜祭りのイベントチェックも忘れなく
自宅からワシントンまで何時間もかかりましたが、はるばる出かけて本当に良かったです。桜の美しさと、こうしてアメリカで桜を見られることのありがたさを再認識しました🌸
ここまで読んで頂きありがとうございました。
この記事がお役に立てれば幸いです☺
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