こんにちは、アメリカのグンマーゆきです!
2022年冬、夫の転勤でアメリカ東海岸のとある田舎で駐在妻はじめました。ニューヨークが東京なら、地理・環境的にもここは群馬・・。ということでアメリカのグンマーを名乗って、海外生活のあれこれをつづっています。
さて、ようやく海外にも行きやすくなり、旅行を計画されている方もいるのではないでしょうか✨この記事では、知る人ぞ知る⁉ニューヨークのイントレピッド航空宇宙海上博物館を紹介します。
この記事でわかること
- 【アクセス】イントレピッドミュージアム
- 【見どころ展示】
- 航空母艦イントレピッド
- 潜水艦グロウラー
- NASAの宇宙船エンタープライズ
- 音速旅客機コンコルド
ニューヨークに行ったことはあっても、ここまで足を伸ばす方はあまり多くはないのではないでしょうか?
実際私も、ニューヨークにいた時に現地のアメリカ人に熱烈にお勧めされて知った、まさにツウが行く博物館です。ここでしか体験できないこと満載の博物館、紹介します!
イントレピッド航空宇宙海上博物館
概要
所在地 | Pier 86, West 46th Street, New York, NY 10036 |
営業時間 | 月~日曜日・祝日:10時~17時 4月~9月末までは、土・日・祝日18時 ※最終入場は閉館の1時間前まで |
駐車場 | なし ※提携はしていないが近辺にコインパーキングあり |
料金 | 大人:36ドル シニア(65歳以上)・大学生:34ドル 子供(5~12歳):26ドル ※4歳以下は無料 |
HP | https://www.intrepidmuseum.org/ |
イントレピッド海上航空宇宙博物館 (Intrepid Sea, Air & Space Museum)は第二次世界大戦中に使われていた空母を、改装して建てた博物館です。空母とは航空母艦の略で、航空機を載せて海上を移動し、戦時には航空機の離発着を行った、いわば海上を移動する航空基地です。
第二次世界大戦にも使われた…というと想像されると思いますが、空母イントレピッドは日本軍とも実際に戦いました。この博物館にはその記録や戦果の展示に加え、興味深い展示がたくさんあります。
見どころ
- アメリカ空母の内部見学
- NASAの宇宙船エンタープライズ
- 潜水艦グロウラーの内部見学
- 音速旅客機コンコルド
- 米海軍アクロバット飛行機ブルーエンジェルス
- 各国の戦闘機
ざざーっと一通り見て回るには2時間半もあれば楽しめますが、飛行機、戦闘機、宇宙好きな人にはいくら時間があっても足りない博物館です。実際、飛行機・宇宙好きの夫と行った際には閉館時間まで、結局4時間半滞在することになりました。マニアと行く際は1日滞在するくらいの覚悟がいるかもしれません。
それでも最後、駆け足だったんですよ~
アクセス
イントレピッド博物館はマンハッタンの西側、ハドソン川に浮かんでいます(空母なので!)。
バス
西に向かうM42かM50のバスに乗り、最寄りの12番街(12Avenue)のバス停で降車します。バス停の地図はこちらをご覧ください。
徒歩
マンハッタンの中心の5番街あたりからは徒歩で30分弱、タイムズスクエアからは20分程です。オススメは44~46st(ストリート)のどれかをずっと西に行くルートです。このストリートは途中、ミュージカルの劇場エリアや、タイムズスクエアを通ります。人の流れがごちゃごちゃしているタイムズスクエアど真ん中の42・43ストリートを避けつつ、ニューヨークの雰囲気が味わえるのでお散歩がてら徒歩で向かうのもおすすめです。
イントレピッド近くの10~12番街まで行くと人通りもやや少なくなり、落ち着いた(さびれた?)雰囲気になってきます。マンハッタンの中心地なのでそこまで心配する必要はありませんが、夕方や夜に歩く場合はちょっとだけ警戒してください。
チケット購入方法
オンライン
ホームページから購入できます。チケット購入時に訪問日時を指定します。チケットの買い方は以下リンクのPDFをご覧ください。
窓口
窓口でチケット購入する場合、割引クーポンが使える場合があります。2023年1月に訪問した際は、下記リンクのクーポンが使え、印刷あるいはスクリーンショットしたバーコードを窓口で提示したところチケット代が20%オフになりました。
※このクーポンはいつまで使えるかわかりません。イントレピッドに行く前に、最新クーポンがないか「intrepid coupon」「intrepid promo code」など検索してみてください。使えたらラッキーです✨
なお、夏など観光シーズンは窓口が込み合い、チケット購入に時間がかかるかもしれませんので、その点は注意してください。
イントレピッド博物館の見どころ
空母イントレピッド
interepid=勇敢・不敵、と名付けられたイントレピッド航空母艦は、1943年から太平洋戦域で使われ始めました。第二次世界大戦中は日本との戦い、その後はベトナム戦争などにも参加し、1974年に退役となり博物館として改装されました。
空母の見学場所は大きく4か所、地下からサードデッキ、メインのハンガーデッキ、ギャラリーデッキ、屋上のフライトデッキ、があります。
ハンガーデッキ
戦闘機・戦闘の記録
メインの見学エリアであるハンガーデッキには、戦闘機やイントレピッドの戦闘記録が展示してあります。空母の部品の巨大プロペラや、乗組員の食堂、ベッド、空母内にあった歯医者の椅子なども展示されていて、イントレピッドが実際に使われていた時の様子をうかがえます。
レゴで再現したイントレピッドの模型がこちら。イントレピッドは全長265メートルあり、その長さはクライスラービルと同じくらいの大きさだそうです。戦争中はこのように飛行機を載せて航行し、海上戦に参加していたことが分かります。
写真で大きさを伝えづらいですが、戦闘機が何機もすっぽり収まってしまうくらい、とても大きく、広いです。そしてこれが水の上に浮かんでいるということが信じられません。
日本との戦い
ハンガーデッキにKamikaze:Beyond the Fireという映像コーナーがあります。第二次世界大戦から使われ始めたイントレピッドは日本軍とも戦い、神風特攻隊の攻撃を受けました。その戦いの様子の映像が、煙やサイレンなどを使いながら再現されます。
フィリピン周辺の制海権を巡り、日本海軍が総力を挙げて戦ったレイテ沖海戦にイントレピッドも参加していました。イントレピッドは戦艦大和、戦艦武蔵に致命的な攻撃を与え、最終的に武蔵を沈没させたことが戦果として称えられています。レイテ沖海戦以降、神風特攻隊が作戦として行われるようになりました。イントレピッドはその後の戦いも含め、特攻隊の攻撃5回、魚雷爆撃機の攻撃1回を受けましたが沈没することなく耐え、伝説の空母と呼ばれるようになりました。この空母の乗組員は250人以上が犠牲となっています。
イントレピッドに乗船していた司令官や乗組員が語っているように戦時の状況が説明され、特攻隊が突撃し空母で大火災が起きる映像も流されます。映像を見て、断絶された過去のように感じていた戦争が、身近に迫ってくる感じがしました。アメリカに来ると楽しいこともたくさんありますが、「日本は敗戦国なんだ」という事実を、突き刺すように見せつけられることもあります。
サードデッキ
サードデッキには乗組員の寝室や食堂の展示に加え、来館者が利用可能な飲食スペースがあります。飲み物やスナックも販売しているので、休憩したいときはサードデッキもおすすめです。
ギャラリーデッキ
ハンガーデッキの上階にたつギャラリーデッキです。空母の航行を担う中枢で、航路を検討する作業台や、洋上監視を行うシステム、司令官室などがあります。船の運転室も見学することができ、大きな舵の前に立って空母を運転している気分も味わえますよ。
狭い階段を上り下りして見学ルートを歩きます。途中、説明をしてくれる係りの人たちが座っているのですが、子供(とお父さん)たちから質問攻めにあっていました。
フライトデッキ
空母の甲板です。戦時中はここから戦闘機を離着陸させ戦いを援護しました。現在は各国の戦闘機、アメリカ海軍アクロバット飛行隊のブルーエンジェルスなどが置いてあります。ハドソン川とマンハッタンの景色も楽しめますので、周りも見渡してみて下さい。
宇宙船エンタープライズ
3階のフライトデッキの奥に、スペースシャトルパビリオンがあります。ここの目玉はNASAの宇宙船初号機エンタープライズと、ロシアの宇宙船ソユーズです!
1972年、ニクソン大統領が再利用可能なスペースシャトルの開発を命じ、NASAで設計されたのがエンタープライズです。初号機エンタープライズは実際に宇宙には行っていませんが、滑空、着陸試験などに使われ、のちのスペースシャトル開発の礎となりました。
スペースシャトルはこれまで6機製造されましたが、コロンビア号、チャレンジャー号は事故で失われ、残り4機はDC、ケネディ宇宙センター、カリフォルニア、そしてイントレピッドに展示されています。
現在NASAではアルテミス計画が始動中です。1972年以降途絶えていた月への上陸を目指し、より多くの人を長期間、月に滞在させる計画です。ゆくゆくは火星への人類上陸を目指しているのだとか…。その第1歩がここにあると思うと感動的です。
アルテミス計画で月へ送る宇宙飛行士のうち、少なくとも1人は女性、1人は有色人種とするそうです。これもまた歴史的な一歩!
イントレピッドは退役後、NASAのプロジェクトに参加していたため宇宙コーナーも充実しています。宇宙飛行士はカプセルに乗って地球に帰ってきます。彼らが乗ったカプセルが海上に着水すると、漂流地点までイントレピッドが迎い、回収任務にあたったそうです。イントレピッドの窓から外をのぞくと、そのカプセルの模型が展示されていました。
メインデッキにもたくさん宇宙関係の展示があります。実際にカプセルに乗り込めたり、飛行機を操縦する体験もできるので、あっという間に時間が経ってしまいますよ!
巡航ミサイル潜水艦グロウラー
唯一、一般公開されているアメリカの巡航ミサイル潜水艦の内部ツアーができます。人数制限があるため、今回は25分程行列に並びました。しかし、潜水艦の内部になんてなかなか入れるものではないですよね⁉貴重なチャンスですので並ぶ価値はありますよ✨
ベッドやトイレ、食堂など、乗組員の生活を想像できるような部屋から、司令官室、レーダー機器などが置いてある部屋を見学できます。潜水艦は非常に狭いです。その上ずっと水中にいるので換気など行うことはできず空気が薄かったそうです。
潜水艦の一番の役割はミサイルを運び、海上から発射すること。この潜水艦も魚雷を保管する部屋があり、そこにも乗組員用のベッドが置かれていました。ミサイルと一緒に寝るなんてどのような気持ちなのでしょう…。80人近くの乗組員がこの狭い空間で、何か月も水中で過ごしていたと思うと、想像絶する厳しい環境だなと感じました。
音速旅客機コンコルド
コンコルドに搭乗するオプションツアーに参加しました。コンコルドへの搭乗、コックピット見学ができる約20分のツアーで、1人9ドルです。
コンコルドは世界初の音速旅客機でイギリスとフランスで共同開発され、concord=調和、協調と名付けられました。デルタ型の翼と、機体頭部の長い鼻が特徴です。マッハ2(マッハ1=秒速340m=時速1,224km)で飛び、一般の飛行機では7時間弱かかるニューヨークとロンドン間を2時間52分59秒で飛行しました。
通常の旅客機はマッハ0.8程度、コンコルドは夢と技術の飛行機です
コンコルドの航空券は当時の価格で2万ドル、ファーストクラスの20~50%増しの価格で非常に高価でした。セレブしか乗れない飛行機で、有名人ではポールマッカートニーが搭乗していたそうです(そして機内でゲリラライブしていたとか(笑))。ところが離着陸時の騒音が非常に大きいことや、コンコルドによる飛行機事故、アメリカ同時多発テロ以降の航空機需要の低迷などに見舞われ、生産停止となりました。
コックピット見学はガイドさんに連れられ、2人1組で3分程見せてもらえます。狭い空間に所せましとボタン・機器が並んでいます。機長、副機長、メカニックの3人が座り操縦していたそうです。
コンコルド特有のボタンが、写真右の機長席の左手前にあるレバーです。コンコルドはその速さを実現するため機体が長くとがっていますが、その鼻の長さゆえ離着陸時にパイロットが地面を確認できないことが問題でした。そこで鼻を上下に、レバーで動かせるよう改良されたそうです。
トータル20分ほど、飛行機好きでしたら楽しいツアーだと思いますので参加してみてください。夫のテンションは爆上がりでした。
まとめ
この記事ではイントレピッド航空宇宙海上博物館を紹介しました。見どころはこちら。
- アメリカ空母・潜水艦の内部探検ができる!
- ここでしか見られない宇宙船がある!
- 日米の戦争の歴史を改めて知る
戦闘機などにあまり興味がない私でも、その大きさや迫力に圧倒され興奮しました!めったに見られない空母や潜水艦の内部に潜入し、秘密に触れたような気になれるのも楽しいです。一方で、日本とアメリカで戦争をした歴史を再確認し、勉強にもなった博物館でした。
ここでしか見られないアメリカがたくさんありますので、ぜひ足を伸ばしてみてください。盛りだくさん過ぎてあっという間に時間が経ってしまいますよ。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
この記事がお役に立てれば幸いです☺
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